心臓の手術をしてもらおうと思った。
元気になれるなら、今のこの呼吸の早さが
ウソのようになくなるのなら。
余命宣告を回避できるなら。
手術が希望の光になった。
でも、Kの様子を見ると、
床をホリホリしてみたり、
熊のぬいぐるみを舐めてみたり。
発情後期を予想させる。
発情=ヒートは期間が長い。
発情初期→発情期→
発情後期(2か月)→無発情期(4カ月)
ほぼ6カ月周期で、年2回ある。
発情初期から発情後期まで、約2か月間。
調べてみたら、この時期に手術はできないらしい。
緊急事態でなければ、避ける期間のようだ。
飼い主予想で、発情後期であるならば、
手術の危険性はMax。
どのように強行突破するというのだろう。
心臓の動きを見ながら、
子宮や卵巣を取ってしまうらしい。
ここで、Kの命が尽きてしまっても
後悔はないのだろうか。
心臓の手術を成功させるために
かかる不安要素はすべて取り除く。
今の不安から逃げてしまえば、
心臓手術の後、さらに深刻な合併症の不安が
追いかけてくることになる。
どちらのリスクが高いのか。
ドクターたちが出した結論は
心臓手術の前に別の手術をする、ということ。
本当ならやりたくない手術だろう。
なにもよりによって、Kがそのツラい役回りとは。
どうして、どうして。
思ってしまう。
日常生活がままならなくなってしまった。
何をしてもミスをおかす。
忘れてしまったり、間違ってしまったり。
心ここにあらず、なのだ。
どうしよう、どうしよう、と
頭の中で反芻するが、いい知恵は浮かばない。
誰かに聞いてもらおうか、と思っても
理解が得られるわけがない、と
泣きながら、一日が終わっていく。
考えがまとまらなくて、
何をするべきか、優先順位が乱れがち。
Kにご飯を用意できても、
自分の食事は用意する気持ちになれない。
2日前、資金調達が何とか目途がついて、
本当に久しぶりに夕食を作って食べた。
美味しいと感じながら食べた。
それが、昨日の夕方の病院からの電話以降、
心がまたふさがってしまったようだ。
心臓が悪いまま、外科手術を決行する。
素人には想像がつかない。
Kがどこかへ連れていかれる感覚。
人間の実験に使われてしまうような、
アリ地獄に突き落とされたような感覚。
味方が誰もいなくて、ひとりぼっち。
実際には多くの人が見守ってくれているのに、
不安が尽きない。
こんな気持ちは、Kにはお見通しなんだろう。
飼い主を見上げて、ただじっと見つめている。
11年、ずっと一緒だった。
お出かけは近所しか行けなかったけれど、
一日一日を大切に過ごしてきた。
僧帽弁閉鎖不全症と言われてから
精一杯、身体に注意して、
食事に気をつけて、
運動に気をつけてきた。
それでも、今日のような現実が
待ち受けている、怖い病なのだ。
でも、今は、考えがまとまらないけれど、
与えられた宿命を受け入れて、
闘うことにする。
負けない。
必ず勝てる。

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